一度治ったはずの「腱鞘炎」が6か月後に重症化し「ばね指」へ。放っておくと「手術の対象」へ悪化する?
子供の学費のため、2年前から週に4回ピッキングの仕事をする46才の女性。
仕事柄、手や指を一日中使い続けるのでとうとう人差し指が「腱鞘炎(けんしょうえん)」に。
近所の整形外科で痛み止めの薬とシップが処方され、患部の安静を心掛けたことで2週間で治まりました。
ところが6か月後、今度はより強烈な痛みを伴った「ばね指」として再発。
医師に「このままでは手術になりますよ。」と言われパニックに。
今回のブログでは、
- 治まったはずの「腱鞘炎」が6か月後「ばね指」へと悪化したのは何故?
- そもそも「ばね指」と「腱鞘炎」はどう違う?
- 指の痛みでずっと悩むのはもう嫌。今後どう行動すればいいの?
この3つを中心にお伝えしたいと思います。
子供の学費のために始めたピッキングのパート。手と指の痛みの原因は「使い過ぎ」?
大学生と高校生の子供がいる46才女性のHさん。
学費が増える一方なので、2年前から「週4日、一日5時間」のパートを開始。
職種は倉庫でのピッキング作業。
伝票の通りに品物を揃える仕事なので重いものを持ち上げることはほとんどないが、とにかく手と指はずっと使いっぱなし。
仕事を始めたばかりの2年前は、なかなか慣れずに身も心もとにかくヘトヘト。
「やっと仕事に慣れてきたかな?」と思い始めた1か月後、手と指に違和感が現れた。
最初は「あ~、仕事で疲れて手が痛いな。」くらいだったが、次第に親指と人差し指の付け根がズキズキと痛み始めた。
「うわぁ困った」と思ったものの、何もしなければ痛くないので「あんまり動かさんようにしたらそのうち治るやろ」と家にあったシップを貼り、手をかばいながら仕事や家事を続けた。
ところがわずか3日後、何もしていないのにズキンズキンと痛みだし仕事と家事に支障が出てきた。
「やっぱり病院に行かないとダメか。」と重い腰を上げ近所の整形外科に行くことに。
問診とレントゲン検査後、医師から「腱鞘炎ですね。手の使い過ぎに気を付けてください。」とあっさり告げられた。
「やっぱりな~。でも今仕事をやめるわけにもいかへんし。」と薬局でサポーターを購入。
病院で処方された痛み止めの薬とシップも併用しながら、手と指をかばう毎日を続けた。
「痛みが治まらないようなら、次は注射をしましょう」と言われ、注射は嫌なのでなんとかその前に治そうと決意。
シップと痛み止めで何とか回復。ところが6か月後、さらに重症化し「ばね指」に。
2週間後、なんとか指の痛みが治まってきた。
心なしか手が全体的にこわばってかなり動かしづらくなったが、とりあえず痛くないのがうれしい。
仕事のスピードもなんとか戻り、こわばって動かしづらい手や指にもいつの間にか慣れてきた。
・・・そのまま6か月は何事もなく経過。
ところがある日突然、忘れかけていた指の痛みが再びぶり返してきた。
もともとこわばっていたところに痛みがプラスされると、どうしていいかわからないほど痛い。
とはいえ、ちょうど仕事の忙しさがピークを迎えていたので病院にも行けず、仕方なく前に病院でもらったシップとサポーターを装着。
「このまま治ってほしい」と祈るような気持ちでいたが、祈りは届かずわずか3日後さらに困った事態が。
急に右手の人差し指が固まったように動かなくなり、「あれ、あれれ」とあせってムリヤリ動かそうとするとビーンとバネのように勢いよくはねたのだ。
「え~?何が起きた?!」驚いて思わず手の平から指をくまなく触ってみると、指の関節あたりに米粒大の硬いものがコリコリと触れる。
「なんだこれ?!」頭の中は大パニック。
「さすがにこれはまずい!」と同僚に頼み込んで仕事を切り上げさせてもらい、病院の整形外科へ飛び込んだ。
一度治ったはずの「腱鞘炎」が「ばね指」へと悪化したのは何故?
病院では今回も問診とレントゲン検査の後、医師から説明を受けた。
「骨には今のところ問題ないですが、動きから見るとばね指になってしまったようですね。」
「えっ、ばね指って何ですか?前は腱鞘炎と言われたんですが。」と思わず質問すると「腱鞘炎よりばね指の方が重症なんです。これ以上ひどくなると手術の対象になるから気をつけてください。」と返事があった。
「手術?ばね指?何やの、この展開は?!」
何が何だかわからないほどショックを受けてしまった。
今まで考えたこともない「手術」という言葉におびえて帰り道の記憶がほとんどない。
「子供の学費を稼がんとあかんから、今仕事やめられへんってずっと言ってるのに!」
どこにぶつけていいかわからない怒りが心の中で煮えたぎっている。
そもそも「腱鞘炎」と「ばね指」の違いは?
「ばね指」の原因はズバリ「指の使い過ぎ」。
男性にも女性にも起こりますが、仕事や家事などで指先を使う機会が多い女性に多発。
特にホルモンのバランスが崩れやすい中高年の女性はなりやすいそうです。
「腱鞘(けんしょう)」は手のひらから見て、手首から指先へ向かって伸びるヒモのような「腱(けん)」を骨と筋肉から離れないように押さえている鞘(さや)のようなもの。
「腱鞘(けんしょう)」近くの筋肉が縮んだまま炎症を起こして痛みが出ているのが「腱鞘炎」です。
腱鞘炎のレベルでは「痛いから冷やして様子をみよう」「使わないようにしよう」と考えてシップを貼りながら過ごしがちですが、実はその間も刻々と筋肉が硬く縮んで動かしづらくなっていきます。
「腱鞘炎」の状態がしばらく続いた後、ついに「ばね指」の症状が出現。
「ばね指」とは別名「弾発指(だんぱつゆび)」とも言います。
指を曲げたり伸ばしたりするときに途中でひっかかり、無理に伸ばそうとするとバネのようにパチンと弾けてやっと伸びる症状が特徴的。
痛みが強いのはもちろん、自分の意志で指が動かしづらい状態。
「腱鞘炎」に比べて「ばね指」では腱鞘にも変形が発生、指の曲げ伸ばしに支障がでるほど炎症がかなり進行しているのです。
「ばね指」保険治療で治る?治らない?
「ばね指」をスマホで延々と検索、「これからどうしたらいいんやろ」と途方に暮れたが「もう一度冷静に考えてみないとあかん」と気を取り直した。
頭の中で「病院ではシップと痛み止めしか出してもらえない。治らなかったら手術と言われるから正直言ってもう行きたくない。でもお金がかかるのは困るから治療費が高いところは気軽には行けない・・・。」グルグル考えていると・・・。
ふとひらめいた。
「そうや、ずっと前に腰が痛かった時、ずっと通ってた整骨院があったやん。マッサージもしてもらえたし、また行ってみてもいいのかも。」
希望が持って近所の整骨院に向かった。
ここではシップだけでなく、指に電気を当てて手と指をマッサージしてくれる。
「今度こそ治る気がする」
ホッとしていると、治療後の先生の言葉に愕然とした。
「良くなるまで毎日でも来てくださいね。」
「えっ、毎日ですか?」
治るためには仕方ないと毎日行こうと思ったものの、その後挫折。
それでも一日おきに頑張って通った。
3か月後・・・。
期待に反して、ばね指は全く治る気配がない。
予想外の展開に「なんてこった。」と困り果てた。
「もう一度よく考えてみないとあかん」と今までの収支を計算してみた。
- 1回あたりの治療費 450円×1か月(15日分)=6,750円
- 3か月続けたので・・・6,750円×3か月=20,250円!!
「え~、信じられん。2万円以上使って治らないってどういうこと?」
そう、総額が2万円を超えていたんです。
指の痛みで悩むのはもうコリゴリ。ターニングポイントは今!すぐに行動を!
「やっぱりお金が高いとか言ってる場合じゃなかったんやな・・・。」
やっと我に返ったHさん。
「ばね指の治療が得意な先生はいないものか。」と再びスマホ片手に検索開始。
「ばね指、松戸市」「ばね指、腱鞘炎、松戸市」など次々と検索。
ついに「松戸の統園鍼灸院」に行きついたということで、予約の電話をいただきました。
後日来院されたHさんは「とにかく一刻も早く治したいんです!」と一生懸命な様子。
院長は、丁寧な問診から治療をスタートさせました。
そして、鍼治療の有効性やセルフケアの重要性を説明しながら治療を進めていきました。
統園鍼灸院の治療の特徴
通常の鍼治療や整体にに加えて、家で簡単に続けられるセルフリハビリをお伝えしていること。
「ばね指は、手や指の使い過ぎが原因で発症することが多いけど、使うのをやめるのではなく、使ったら自分でこまめにケアすることが回復への一番の近道」と患者さんの考え方の角度を少し変えていきます。
Hさんは当院へ3回ほど通い、院長の指示通り真面目にセルフリハビリを続けてくださった結果、「あ~、指が痛くなく動くようになってきた。」というレベルまで回復、とても喜ばれていました。
4回目の予約時、「ちょっと今後の仕事の都合がわからないので、また電話で予約します。」ということで、その後のHさんの回復状況は追えなくなりましたが、きっと今頃は「ばね指」の痛みから解放され、仕事や家事をこなしておられることと思います。
手や指の痛みに日々困っておられる皆さん、このブログを読んだ今がターニングポイントかもしれません。
このまま「手が痛い、指が痛い」と言いながら毎日を過ごし、手術をするまでガマンしますか?
1年後の生活の質を見据え、よく考えて、正しい治療の選択をしてくださいね!