投球動作で肩が痛い!これは「野球肩」?
もうすぐ大事な試合。
チームの皆が一丸となって練習に励んでいる。
ピッチャーの投球練習もワンギア上げたいところ。
ところが肝心の投球動作のたびに肩に
痛みがビーンと走る。
あわててかかりつけの病院に行って治療を受けているが、試合までに治る気がしない。
どんどん近づいてくる試合の日、焦る気持ちがピークに・・・。
今回のブログでは、病院に行って治療をしているのに治りきらない「野球肩」について、原因、治療法、そして予防法までお伝えしたいと思います。
参考にしていただけると幸いです。
「野球肩」ってどんな病気?
「野球肩」は投球動作が多いピッチャーによくみられるスポーツ障害。
動作の反復によって、ひとつの場所に継続的に力が加わり起こる病気。
「オーバーユース=使い過ぎ症候群」のひとつで、瞬間的に起こる痛みが慢性的に続きます。
また投球動作によって発症する肩関節障害の総称で、「野球肩」といってもその中にはいくつかの病気が含まれています。
年齢によっても原因に違いが。
成長期の子どもがなりやすいリトルリーグショルダー
上腕部の端にある成長軟骨に、投球動作によるひねりや遠心力が高い頻度や負荷でかかることで、軟骨が損傷する病気。
大人になると起こらなくなるが、治療は安静が基本で、2~3か月投球が禁止されることから本人の気持ちがつらくなってしまうことも。
大人の野球肩
肩関節の周囲を補強するじん帯や筋肉、腱などの障害で痛みが発生することが多い。
1.関節唇損傷・・・上腕骨と肩甲骨の間にある軟骨が損傷する病気。
2.インピジメント症候群・・・肩を安定させている筋肉を前後から支える「回旋腱板」と呼ばれる腱が弱くなり、上下にぶれて炎症が起こる病気。
3.ルースショルダー(動揺肩)・・・先天的に肩関節のつくりが不安定で普通の範囲以上に動いてしまう人が、肩を使いすぎることで痛みや脱力感が出る病気。
どの場合も、日常生活ではあまり問題を感じなくても、ボールを投げる動作をすると瞬間的な痛みに襲われ、練習にかなり支障が出ます。
「野球肩」って安静にするしか治療法がないの?
「野球肩」の原因は肩の使い過ぎ=投げ過ぎだとお伝えしました。
病院に行くと「安静にしていたら治るよ」と言われることが多いもの。
では、練習で肩を使わずしばらく安静にしていたら、完全に治るのでしょうか?
答えは「一応YES」
野球肩は、肩に過度の負担がかかり発症する「スポーツ障害」なので、負担がなくなれば徐々に治まるものです。
でも問題はオフ明け。
「治ったぞ~!」とばかり以前と同様の練習を再開させるとどうなるでしょう?
実は野球肩は何度でも再発するんです。
そこが厄介なところで・・・。
野球肩は単なる肩の使い過ぎだけではなく、その他の原因が複雑に絡み合っていることも多く注意が必要。
「野球肩」投げすぎだけが原因?
ここでひとつ質問です。
きつい練習をしたら、ピッチャーは全員野球肩になってしまうのでしょうか?
・・・この答えは「残念ながらNO」
残念なことに、「野球肩になりやすい人」が一定数いるのは現実。
それは「投げすぎ」以外にいくつか要因があるからだといわれています。
いくつか挙げてみますと・・・。
- 肩に負担がかかりやすい投球フォーム(例えば肘が下がっているなど)で投げている。
- 投球前のウォームアップや投球後のアイシングやストレッチをあまり行わない。
- 肩甲骨の動きが悪く、投球動作時に肩が不安定になっている。
普段から「肩にちょっと不安があるなぁ」と感じている場合は、「自分は野球肩になりやすいかも」と自覚を持ち、再発予防のために何をしたらいいか日頃から考えるクセをつけることが大切。
この考え方は、野球肩に限らず様々なスポーツ障害やケガの予防としても重要です。
保険治療を受けているのに、何故「野球肩」が治りきらないの?
当院の患者さんは、子供でも大人でも自分のかかりつけの病院や整骨院に通い、まめにケアをしている人がほとんど。
「これ以上どうしたらええねん」と怒りの声が聞こえてきそうですが、実はどうしても保険治療だけでは対応できないケースがあるのです。
それってどういうこと?
保険での一般的な治療の一例
- 電気をあてる
- 肩周りのマッサージやストレッチ
- 湿布
- 痛み止めの薬
どの治療法も一定の効果はありますが、短期間で結果を出すには限界があるのです。
そのほかにもこんな制限が。
- 保険治療では定められた部位にしか治療できない
- 関連部位を含む多部位の治療は自費扱いになる
- 鍼灸治療は自費扱い
このように保険治療の内容は規定で細かく決められていて、できることが限られています。
「野球肩」と「スポーツ鍼灸」その驚くべき効果とは?
保険治療では限界がある症例に対し、統園鍼灸院が行う「スポーツ鍼灸」。
スポーツ鍼灸とは?
スポーツ選手を対象として、スポーツ障害の治療やケガの予防、コンディションを整えるために行われる鍼灸。
鍼治療は「即効性が認められる」ことからスポーツ界でも重要視されている。
スポーツでは突発的なケガへの対応も必要なので、鍼治療の技術に加え、スポーツ医学についての幅広い知識が求められます。
当院の院長は鍼灸マッサージ師資格に加え、健康運動指導士というスポーツ関連の資格を有しています。
スポーツにかかわる治療家は、治療後に「はい、痛みがなくなりましたよ。」と言うだけでは片手落ちだと院長は考えています。
今後気を付けたいことや、トレーニングのアドバイス等を伝えることも治療のうちだと。
統園鍼灸院の鍼治療、実際の方法とは?
当院の治療は3本建て。
- 柔らかく筋肉を伸ばすストレッチ
- 可動域を広げる治療 ROM(ロム)
- 硬くしこりになっている箇所をほぐす鍼
ここまで治療を行い、スムーズな体の動きを取り戻したところでもう一息。
最後にゴムチューブを使ったシャドウピッチング。
これは負荷をかけて行うリハビリです。
スポーツ障害の治療は「短期決戦」
患者さんにリハビリの方法を伝え、自宅で毎日頑張ってもらうのです。
全力でボールを投げたい!「野球肩」の効果的な予防法は?
まるで「駆け込み寺」のような当院ですが、院長は治療をするだけでなく、患者さんへ野球肩の再発予防についてきちんと個別にお伝えしています。
スポーツ選手にとって「ケガなく自己最高のパフォーマンスができること」が一番だと、院長は常々考えているから。
「野球肩」は根本的に「投げすぎが原因」であることに間違いありません。
場合によっては、試合前の集中的な投げ込みを見直す必要も。
改めて言うまでもなく「使ったら手入れ」のケアを兼ねた、病院や治療院での保険治療はとても大切。
そのうえで「長引く症状や鎮痛剤に頼りがちになったらスポーツ鍼灸を頼ってほしい」と院長は言います。
統園鍼灸院はスポーツを頑張る皆さんを応援しています。