こんにちわ。統園鍼灸院受付のあべです。
連日さわやかな5月の風を感じながら、気分良く仕事しています。
さて、今回は結果を出すことの必要性を改めて感じたお話です。
患者さんは一にも二にもひたすら結果を求めています
朝一番、腰のあたりを本当につらそうにかばいながらひとりの男性が飛び込みで来られました。Eさん48歳の会社員です。ほぼ一日中立ち仕事との事で、ここ最近は長く立っていると両足がしびれてきてギブアップ。悪いけどちょっと休ませてという状態で職場に迷惑をかけ、お困りの様子です。
予約優先なので申し訳ないですが20分ほどお待ち願いました。その間の受付での会話です。
実は、昨日別の鍼灸院で鍼をしてもらったんだけど、連日鍼してもだいじょうぶですか?
少々お待ち下さいね。あっ、院長が何ら問題ないと言ってますので大丈夫の様ですね。
そうですか。あー、良かったと一安心のご様子です。
私は思わず、ということは、昨日の鍼治療満足いかなかったのですか?
うーん、なんというか手ごたえがないんですよ。よーす見て又来て下さいと言われてもこの状態だからね。
それは残念でしたね。他にも色んな治療院行かれたのですか?
はい、一通りは通院しました。まず、整形外科行って、レントゲン撮ってもらったけど特に問題なし。痛み止めの薬もらいましたけど、全然変わらないね。
それから3日連続整骨院通って電気とマッサージ受けたけどこちらもさっぱりダメ。
それでネットでいろいろ調べて、整体、カイロ、鍼灸院と一巡したんだけど、なんていうのかなあここなら治してくれるかもという手ごたえがないんだよね。
それは本当に残念ですよね。でもうちの院長ならきっと何とかしてくれますよなんて話をしているうちにEさんの順番が来ました。
ずいぶんつらそうですねえという院長の問いかけにEさんは、はい、さきほど受付の方にもお話したのですが。
長時間立っていると足がしびれてきて。仕方なしに座らせてもらうんだけどこんな調子じゃ仕事にならなくて。周りにほんと迷惑かけているのですよと情けなさそうに症状説明をするEさんです。
院長は問診からもう手がかりを得られたようで、おもむろに次のような説明を始めました。
Eさん、今まで受けた治療ってみんなベッドに寝かせられて受けたのでは?
はい、そうですが。
やっぱりね。それじゃだめなのよねえ。足腰の症状と言うのは99パーセントの原因が足の裏でうまく地面に立ててないから、重力の重みを腰で吸収してるんですね。その結果腰に関連する部分が強いストレスを受けて、痛くなったりしびれがきたりするんですよ。
はあ?
まあ、説明はこれくらいにして、とにかく楽になって頂きましょうの声かけで、いよいよ治療開始。
私は、ちらちら治療室の方に目をやりながら、あっいつものあれかってひとり合点のニヤニヤ笑い。
足元の着地が不安定だと腰痛に!
院長はひどい腰痛や坐骨神経痛の患者さんにはまず、ベッドに腰掛けて頂き、両足首あたりをしっかり両手で固定の上、患者さんに立ち座りを繰り返してもらいます。Eさんも最初のうちはイテテ、イテテと言いながら太ももに手を添えて腰をかばってる風でしたが、何回目からは、あれっ?痛くない!と半信半疑の様子です。
Eさんが立ち座りに支障ないのを確認してから、院長は今度はゆっくりあお向けに寝て頂くようEさんに指示します。次はけん引をしているようです。院長は、日頃よくこう言ってます。坐骨神経痛の人はね、坐骨の位置が微妙に下がってるのでちょうどいい位置に戻してあげればいいのよねと。
今回もまさにそのパターンで坐骨の調整けん引をしている気配です。で、一息ついた所で、Eさんいちど歩いてみましょうと院長がこえかけします。あれっ!足が軽い軽い!しびれてない!と大喜びのEさん。
けどちょっとケツのあたりが痛いんだよね。
はい、わかりました。じゃあEさん。お尻出してベッドに手をついて立ってもらえますか?
一回だけ鍼ひびかせますね、多分脳天まで電気走るだろうけど、その分あとが楽になりますので、
恐いもの見たさに私が見てしまったのは、長さ20センチほどあろうかと思われる長ーい鍼でした。院長は一寸のためらいもなく
Eさんのお尻にブスッと鍼をさしました。
アウーッ。どこからそんな声が出せるのかと思えるようなEさんの悲鳴。院長は何事もなかったかのように、さあて、少し歩いてみて下さいとEさんに指示しています。
あれっ!どこも痛くない!痛くないぞ!とEさんは満面の笑顔です。
先生次いつ来たらいいですか?お会計時にすかさずこう質問されたEさん。こういう質問をされる方は、過去の経験上、今後間違いなく指示通りに通院され、身体が良くなって行くことを素直に実感されている方です。また、来院のたびに調子が上向きになられる方です。
その一方で、あと何回来たら治りますか?と質問される方もいらっしゃいます。そういう方は、だんだん院長の指示に従わず、自分で通院間隔を決めて行き、いつの日かパッタリ来なくなる事が多いように見えます。
私の予想は見事に的中。Eさんはその後院長の指示通りにきちんと通院され、数回の治療で別人のようにしゃきっと背筋を伸ばして玄関から入ってこられています。そして、初診後約一か月経過した現在は、月一度の予防メンテナンスに来られています。
私も30代くらいまでは、何か問題があれば治療を受ければいいや位にしか自分の体を気遣っていませんでした。しかし、さすがに40代の後半くらいから、痛みや不調はある日突然にやって来るものではなく、日頃の積み重ねの結果なんだなあと心から理解できるように変化してきました。
自分の事は案外わかっていない事が多いですね。そんな時、信頼できるプロからそろそろケアした方がいいかもと言われたら、素直に耳を傾けた方が良い結果につながる気がします。
今日も最後までお読み下さりありがとうございます。あべ